『中二階』 白水Uブックス
ニコルソン・ベイカー(1957-)の『中二階』を読了しました。本書は、切れた靴紐を買ってオフィスへと戻る途中のサラリーマンが、中二階にある自らの職場へと戻るためにエスカレーターへと向かう場面から始まって、彼がエスカレーターから降りる場面で幕を下ろします。その間に彼が考察をめぐらすのは、左右同時に切れてしまった靴紐のこと、プラスチック製ストローのこと、エスカレーターのこと、などなど。本書の帯には「前代未聞の『極小(ナノ)文学』」とありますが、まさにそういうことなのでしょう。
新鮮で面白く読むことができました。
【満足度】★★★☆☆