文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ドナルド・デイヴィドソン『真理と解釈』

ドナルド・デイヴィドソン 野本和幸・植木哲也・金子洋之・高橋要 訳

『真理と解釈』 勁草書房

 

ドナルド・デイヴィドソン(1917-2003)の『真理と解釈』を読了しました。デイヴィドソンは20世紀アメリカの哲学者としては最も有名な論客の一人ですが、主として彼の言語哲学に関する重要論文を集めた論文集の「抄訳」が本書になります。「真理と意味」、「根源的解釈」、「概念枠という考えそのものについて」などの有名な論考が収録されています。

 

ロジカルな語り口なのですが、なぜだか極めて解りにくいのがデイヴィドソンの論文の特徴というか、何度か読み返してみてようやく文意が取れるということが多々あります。それだけ凝縮された著述といえばそうなのでしょうが。「論争の旋風を巻き起し、反批判の砲撃を続けながら前進する意味理論の重戦車。」という帯に書かれたキャッチコピーは、デイヴィドソンの思想をうまく言い得ているような気もするのですが、印象としては何となく違うようにも思われます。

 

【満足度】★★★☆☆