文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

スティーブン・キング『スタンド・バイ・ミー』

スティーブン・キング 山田順子

スタンド・バイ・ミー』 新潮文庫

 

スティーブン・キング(1947-)の『スタンド・バイ・ミー』を読了しました。“Different Seasons”と題された(ホラーではない)4篇の中編小説からなる作品集としてアメリカで刊行された原著は、日本においては二分冊のかたちで翻訳・刊行されることになり、その一冊目にあたるのが本書『スタンド・バイ・ミー』です。「ホラーではない」というキングの強調にもかかわらず、本書には「恐怖の四季 秋冬編」という副題が付せられていますが、「スタンド・バイ・ミー」という表題作からして、原題は“The Body(死体)”であり、翻訳にあたっての飛躍が生じています。ひとえに本作を原作とした映画の存在と、その主題歌として流れたB・E・キングの歌う「スタンド・バイ・ミー」が素晴らしかったということなのでしょうが。

 

たしか高校時代に読んで以来、久しぶりに読み返してみたのですが、あらためていい作品・青春小説だと思わされます。私は表題作を4人の少年の物語として捉えていたのですが、本書はあくまでも2人の少年の物語であると感じさせられました。

 

【満足度】★★★★☆