R・ラードナー 加島祥造訳
『アリバイ・アイク ラードナー傑作選』 新潮文庫
R・ラードナー(1885-1933)の『アリバイ・アイク ラードナー傑作選』を読了しました。ラードナーは年代的にはヘミングウェイやフォークナーよりも少し上の世代に属し、若き日の彼らにも影響を与えたと言われているようです。その文学的バックグラウンドはマーク・トウェインによく似ていて、短編小説というよりもどちらかというとコラムや雑文のような文章を数多く物しています。野球を題材に取ったユーモラスなホラ話が印象的で、ニューヨーカーの短編選集でも読んだ記憶があります。
表題作の「アリバイ・アイク」や「ハーモニイ」をはじめとして、野球選手のプライベート(?)にスポットを当てた作品など、語り口のうまさもあって引き込まれてしまうのですが、まさに古き良き時代のアメリカの短編という印象で、楽しく読むことができました。
【満足度】★★★★☆