文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

リサ・ボルトロッティ『非合理性』

リサ・ボルトロッティ 鴻浩介訳

『非合理性』 岩波書店

 

リサ・ボルトロッティの『非合理性』を読了しました。本書は「現代哲学のキーコンセプト」と題されて刊行された叢書の一冊で、イギリスのポリティ社から刊行された哲学教科書シリーズから精選された五冊が岩波書店から出版されています。

 

たとえば行動経済学の隆盛という事実からも見て取れるように、「非合理性」が現代の学問分野におけるキーワードのひとつであることは間違いないと思うのですが、本書では「解釈」や「選択」といったいわゆる哲学に典型的なテーマはもちろん、「精神医学」の観点からの分析など、一般の哲学入門書よりも幅広い視点で非合理性という概念に光が当てられています。面白く読むことができました。

 

【満足度】★★★★☆