シーグリッド・ヌーネス 村松潔訳
『友だち』 新潮社
シーグリッド・ヌーネス(1951-)の『友だち』を読了しました。ニューヨーク生まれで書評誌の編集アシスタントを務めた後、作家になったという彼女の小説作品7作目が本書とのこと。全米図書賞の受賞作品です。自殺した友人を思いながら、彼が残したグレートデン犬との暮らす中で、書くことと文学を巡る考察が綴られていきます。
きっちりとした小説作品の構造を持ちながらも、エッセイとも自叙伝ともつかぬ語り口で展開される本書の読み心地は、最近のアメリカ文学の流行とでもいうべきものを思い出させてくれます。何となく期待(というよりは予想)していたものとは違っていたのですが、面白く読むことはできました。
【満足度】★★★★☆