文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

伊勢田哲治『科学哲学の源流をたどる 研究伝統の百年史』

伊勢田哲治

『科学哲学の源流をたどる 研究伝統の百年史』 ミネルヴァ書房

 

伊勢田哲治の『科学哲学の源流をたどる』を読了しました。本書は、20世紀の論理実証主義以前の「科学哲学」に関する歴史を整理して紐解いた科学哲学史の研究書です。ハーシェル、ヒューウェル、ミルなどの19世紀の思想家の著作から「科学哲学」という概念や営みが象られてくる様が分析され、また19世紀におけるクリティカル・シンキングという一風変わったオリジナルの論考を挟んで、実証主義の検討、19世紀末から20世紀にかけての各国における科学哲学史の追跡が行われていきます。これからの深い研究が待たれる、という感じでしょうか。

 

【満足度】★★★☆☆