文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

乗代雄介『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』

乗代雄介

『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』 国書刊行会

 

乗代雄介(1986-)の『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』を読了しました。本書は著者が15年以上にわたって書き継いだブログ記事を著者自選・全面改稿して書籍化したものとのこと。古いものは著者が中学生くらいの年代(もちろんデビュー前)のときに書かれたものもあり、デジタル化の進展した現代だからこそ実現した作品なのだと思わされます。

 

お笑いを意識して書かれていたという初期の創作は、ネット上での大喜利に影響を受けているようで、下品で猥雑なものが多いのですが、そこかしこにきっちりとしたユーモアのセンスが感じられます。読書や創作を巡って書き綴られた思考の記録である「ワインディング・ノート」からは著者の創作に関する姿勢がうかがえて興味深いです。

 

【満足度】★★★☆☆