文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

G・バタイユ『眼球譚〔初稿〕』

G・バタイユ 生田耕作

眼球譚〔初稿〕』 河出文庫

 

G・バタイユ(1897-1962)の『眼球譚〔初稿〕』を読了しました。フランスの思想家であるバタイユが1928年に発表した小説です。当時は「オーシュ卿」という筆名で発表され、後に改稿された新版が出版されることになるのですが、本書はその初稿にあたるものの邦訳です。余談になりますが、ビョークの楽曲“Venus as a boy”が本書に影響を受けて作られたものだということをこの機会に初めて知りました。

 

性倒錯の物語というだけで片付けてしまうことのできない、多くの人を惹き付ける何かを持ち合わせている作品なのだと想像するのですが、いかんせん私にはその何かを感じ取ることはできなかったというのが正直なところです。おそらくはもっと若い頃に読まれるべき作品だったのでしょう。

 

【満足度】★★★☆☆