文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

マリオ・バルガス=リョサ『楽園への道』

マリオ・バルガス=リョサ 田村さと子訳

『楽園への道』 河出文庫

 

マリオ・バルガス=リョサ(1936-)の『楽園への道』を読了しました。2003年に発表された本作品は、河出書房新社の池上夏樹氏個人編集の世界文学全集の一冊として2008年に日本で刊行された後、2017年になって同社から文庫化されました。できるなら他の作品も文庫化してもらった方が入手しやすくなるのですが、まあそれはそれとして。

 

19世紀フランスの社会運動家フェミニストであるフローラ・トリスタンと、画家ポール・ゴーギャンという歴史上の人物が本書の中心をなす登場人物です。フローラ・トリスタンという人物の存在を私は本書を読むまでは寡聞にして知りませんでした。この二人の人物についてはウェブ検索でもすれば直ぐに調べることができるとはいえ、両者の関係性を語ることは、シンプルに本書のネタバレになってしまうので、ここで言及することは差し控えておきたいと思います。作品自体については、個人的には可もなく不可もなくといった感想ではあったのですが、ペルーに縁を持つフローラの存在がバルガス=リョサをして本書を書かしめることに繋がっているのだと考えると「文学」というものが実現する特異な時間性というものを思い知らされる読書体験ではありました。

 

【満足度】★★★☆☆