文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

『モーパッサン短編集Ⅰ』

モーパッサン 青柳瑞穂訳

モーパッサン短編集Ⅰ』 新潮文庫

 

モーパッサン短編集Ⅰ』を読了しました。フローベールへの師事のもと、作家となったモーパッサン(1850-1893)はわずか10年あまりの間に360編以上の短編・中編作品、7巻の長編作品、旅行記、戯曲や詩集を物しています。まさに生き急いだという印象の作家生活ですが、彼の数多くの短編作品から65編を選んでテーマにしたがって分類し、刊行したのがこの新潮文庫モーパッサン短編集とのこと。この第一巻は「田舎もの」というテーマで選ばれた作品群が収録されています。

 

相変わらずのニヒルで容赦のない人間描写があるときには痛快で、あるときには不気味に感じられるのですが、人間本性を容赦なく拡大して見せる技は楽しむことができました。

 

【満足度】★★★☆☆