モーパッサン 笠間直穂子訳
『わたしたちの心』 岩波文庫
モーパッサン(1850-1893)の『わたしたちの心』を読了しました。生涯で六編の長編作品を発表したモーパッサンですが、その最後の作品にあたるのが本書『わたしたちの心』です。訳者による解説でモーパッサンをミソジニー的であると評する文章を読んで、彼の作品に現れる酷薄さを思い返して腹に落ちるところがあったのですが、本書においては女性により振り回される男性の姿が描かれています。もちろん男の方にも身勝手さはあって、それほど単純な話ではないこともたしかなのですが。
【満足度】★★★☆☆