中村朝子訳
『パウル・ツェラン全詩集Ⅱ』を読了しました。本書にはパウル・ツェラン(1920-1970)の著した以下の詩集が収録されています。
- 『息の転換(Atemwende)』,1967
- 『糸の太陽たち(Fadensonnen)』,1968
- 『光輝強迫(Lichtzwang)』,1970
- 『雪の声部(Schneepart)』,1971
イメージがイメージを呼んで具象と抽象が交じり合った世界が構築されていく様は、詩という芸術が持つひとつの特質だと思うのですが、ドイツ語の複合語で表された各詩集のタイトルは、その結合の仕方が異質であるがゆえに見る者の脳裏に不可思議なイメージを喚起します。詩自体はとても難解なのですが、読み進んでいくうちに掴めそうなイメージというものもあります。
【満足度】★★★☆☆