亀井俊介訳
『対訳 ディキンソン詩集―アメリカ詩人選(3)』を読了しました。ポー、ホイットマン、フロストなどの対訳も刊行されている岩波文庫の対訳アメリカ詩人選集ですが、今回読むのはエミリー・ディキンソン(1830-1886)の作品です。生前はほとんど無名であったディキンソンですが、死後に刊行された詩集が人気を博し、現在では19世紀世界文学を代表する詩人の一人として数えられています。
短く不思議な情感をたたえた詩が多く「ダッシュ(―)」を多用する詩作も目立ちます。また音楽に乗せて響かせると、そのまま歌になりそうな詩もあって、
A word is dead
When it is said,
Some say.
I say it just
Begins to live
That day..
この詩などはそのままポップ・ミュージック(あるいはロック?)の歌詞であってもまるでおかしくないように感じられます。
【満足度】★★★☆☆