文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

『オルラ/オリーヴ園 モーパッサン傑作選』

太田浩一

『オルラ/オリーヴ園 モーパッサン傑作選』 光文社古典新訳文庫

 

『オルラ/オリーヴ園 モーパッサン傑作選』を読了しました。光文社古典新訳文庫で刊行されているモーパッサンのオリジナル編集の短編作品集です。後期の作品の中かからセレクトされた作品ということで、初期に見られた(とはいってモーパッサンの作家人生はごく短いものだったのですが)アイロニーと人間の本性を剥き出しのまま取り出してみせるような手並みは少し鳴りを潜めていて、皮肉めいていながらどこか優しさを感じさせるような作品がラインナップされています。

 

そういう意味で印象に残ったのは冒頭に置かれた「ラテン語問題」という作品なのですが、幻想的な作風の中編作品である「オルラ」など、モーパッサンの多彩な性格を楽しむことができます。

 

【満足度】★★★☆☆