文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

スティーヴン・キング『IT』

スティーヴン・キング 小尾芙佐

『IT』 文春文庫

 

スティーヴン・キング(1947-)の『IT』を読了しました。二度にわたって映画化もされた、文庫本にして四巻の分量となる大作ですが、内容的にもキングの代表作と呼ぶのに相応しい内容となっています。27年前の過去と現在が交互に描かれながら、主人公たちの生まれ故郷えあるデリーの街に巣食う邪悪な存在である「IT」との精神的かつ物質的な戦いが展開されていきます。

 

青春小説(というよりも少年小説)的な要素とホラー要素とが巧妙に同居した作品ですが、時折出てくるキングらしい下品な描写が人によってはくどく感じられてしまうかもしれません。性的なモチーフが物語の本筋に関わってくるという点については、キングの作品としては珍しく感じられたのですが、どうなのでしょうか。

 

【満足度】★★★