文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

『ヘッセ詩集』

ヘルマン・ヘッセ 高橋健二

『ヘッセ詩集』 新潮文庫

 

ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の『ヘッセ詩集』を読了しました。「詩人になる」ことへの若者の切望と苦悩を多くの小説のかたちで描いたヘッセですが、本書にはそのヘッセが1898年から1945年頃にかけて著した詩集から抜粋された詩篇が収められています。

 

「疲れた夏が頭を垂れて」というフレーズから始まる「はかない青春(Jugendflucht)」と題された若き日の詩において、ヘッセは青春というものを次のように描写しています。

 

私は疲れ、ほこりにまみれて歩く。

私の後ろには、青春がためらいがちに立ち止まり、

美しい頭をかしげ、

これから先はもう私と一しょに行こうとしない。

 

【満足度】★★★☆☆