文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

アイザック・アシモフ『われはロボット[決定版]』

アイザック・アシモフ 小尾芙佐

『われはロボット[決定版]』 ハヤカワ文庫

 

アイザック・アシモフ(1920-1992)の『われはロボット[決定版]』を読了しました。「ロボット工学三原則」を掲げて展開される作品群から成る、いわば連作短編集のような構成になっている本書ですが、もともとそれぞれの作品は異なる媒体に発表された短編作品だったようです。

 

ロボット開発の黎明期から円熟期へと至る各過程において起こった様々な出来事が、ロボット工学博士の回想のかたちで語られるというのが各短編の基本的な構図なのですが、それぞれのエピソードにおける「謎」が「三原則」に照らし合わせて解明されていく点において、本書は極めて優れたミステリ作品となっています。個人的な白眉は「うそつき」という作品で、大変面白く読むことができました。

 

【満足度】★★★