文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

吉村達也『「カリブの海賊」殺人事件』

吉村達也

『「カリブの海賊」殺人事件』 角川文庫

 

吉村達也の『「カリブの海賊」殺人事件』を読了しました。ワントリックをメインに据えた作者らしい「ワンナイトミステリー」に仕上がっていると思います。あまり大きな声では言えませんが、トリック自体は本当に大したことがないものです。ただ、この「トリック」を作中登場人物に「コロンブスの卵」と呼ばせているところが私が思う作者の真骨頂で、それがあるからこそ本書は『「カリブの海賊」殺人事件』として成立して、さらには取材旅行も可能になっているのだと思うと、これは本当に吉村氏らしいアイディアだなと思わずにはいられません。

 

【満足度】★★★