文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

宗田理『ぼくらの大冒険』

宗田理

『ぼくらの大冒険』 角川文庫

 

宗田理の『ぼくらの大冒険』を読了しました。子どもの頃に読んだときは、何とも稀有壮大な展開だなと感じられたプロットですが、現在の地点から読むと(本書における事件の解決方法のご都合主義はともかくとして)、何とも考えさせられるテーマが選ばれています。作者の先見の明というものの凄みを感じられる作品だと思います。本シリーズにおける大人の描き方はやはりいささかステレオタイプではあるのですが、それだけに収まらない部分もたしかにあって、あらためて再読してみると、そうした点にも気付かされるのでした。

 

【満足度】★★