文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

閻連科『年月日』

閻連科 谷川毅

『年月日』 白水社

 

閻連科(1958-)の『年月日』を読了しました。フランツ・カフカ賞の受賞者であり、現代中国で最も注目を集める作家の一人である閻連科ですが、本書『年月日』は論争を呼ぶ数々の問題作とは少し毛色が違っていて、日照りの村に生きる老農夫と老犬を主人公にした寓話的物語です。

 

寓話的な装いをまとってはいるものの、生への執着が孕む緊張とある種の矛盾が力強く描かれていて、王道的な文学作品になっています。

 

【満足度】★★★☆☆