文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

カズオ・イシグロ『クララとお日さま』

カズオ・イシグロ 土屋政雄訳 『クララとお日さま』 早川書房 カズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読了しました。原題は“Klara and the Sun”です。ノーベル文学賞受賞第一作と謳われる本書のテーマは「AI」で、同じく現代イギリスを代表する作家のひと…

村田沙耶香『殺人出産』

村田沙耶香 『殺人出産』 講談社文庫 村田沙耶香の『殺人出産』を読了しました。村田氏は恐ろしくも新しい世界を小説として表現することのできる異能の作家だと思っているのですが、本書についてもその評価は間違いなく当てはまると言っていいでしょう。10人…

フランク・マコート『アンジェラの灰』

フランク・マコート 土屋政雄訳 『アンジェラの灰』 新潮文庫 フランク・マコート(1930-2009)の『アンジェラの灰』を読了しました。アイルランド系アメリカ人であるマコートが、アイルランドのリムリックで過ごした少年時代を回想して描いた自伝的小説(「…