文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大江健三郎『大江健三郎往復書簡 暴力に逆らって書く』

大江健三郎 『大江健三郎往復書簡 暴力に逆らって書く』 朝日文庫 『大江健三郎往復書簡 暴力に逆らって書く』を読了しました。本書は大江健三郎と同時代の知識人との間で交わされた往復書簡を収録したもので、その相手はギュンター・グラス、ナディン・ゴー…

マラマッド『マラマッド短編集』

マラマッド 加島祥造訳 『マラマッド短編集』 新潮文庫 バーナード・マラマッド(1914-1986)の『マラマッド短編集』を読了しました。本書は1971年に新潮文庫から刊行されたもので『マラマッド短編集』という邦題が付せられていますが、独自編集された作品集…

大江健三郎『叫び声』

大江健三郎 『叫び声』 講談社文芸文庫 大江健三郎の『叫び声』を読了しました。本書は著者のキャリアの中でも比較的初期に属する作品で、長編作品としては『遅れてきた青年』(1962)と『日常生活の冒険』(1962)の間にあたる1963年に発表されています。ず…

コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』

コルソン・ホワイトヘッド 谷崎由依訳 『地下鉄道』 ハヤカワ文庫 コルソン・ホワイトヘッド(1969-)の『地下鉄道』を読了しました。2016年に刊行され、ピュリッツァー賞、全米図書賞をはじめとする数々の文学賞を受賞した話題の作品である本書は、作者にと…

バタイユ『マダム・エドワルダ/目玉の話』

バタイユ 中条省平 『マダム・エドワルダ/目玉の話』 光文社古典新訳文庫 バタイユ(1897-1962)の『マダム・エドワルダ/目玉の話』を読了しました。本書に収録された二作品のうち、「目玉の話」については『眼球譚』として一年ほど前に河出文庫の翻訳で読…

J・ケルアック『孤独な旅人』

J・ケルアック『孤独な旅人』 J・ケルアック(1922-1969)の『孤独な旅人』を読了しました。本書は1960年に発表された作品で、原題は“The Lonesome Traveller”です。アメリカ、メキシコ、そしてヨーロッパを巡るケルアックの放浪の物語、そして鉄道や山火事…