文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ボッカッチョ『デカメロン』

ボッカッチョ 平川祐弘訳 『デカメロン』 河出文庫 ボッカッチョ(1313-1375)の『デカメロン』を読了しました。『千一夜物語』の影響を受け、そして後世の『カンタベリー物語』に影響を及ぼしたと言われる作品で、ルネサンス文学の先駆けであるダンテの『神…

ローレン・グロフ『運命と復讐』

ローレン・グロフ 光野多恵子訳 『運命と復讐』 新潮社 ローレン・グロフ(1978-)の『運命と復讐』を読了しました。ニューヨーク生まれの作家というグロフの三番目の長編作品である本書は、全米図書賞、そして全米批評家協会賞の候補となった話題作です。 …

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』

ベルンハルト・シュリンク 松永美穂訳 『朗読者』 新潮文庫 ベルンハルト・シュリンク(1944-)の『朗読者』を読了しました。最初に本書を読んだのは新潮クレストブックスから刊行された2000年のことなので、およそ19年ぶりの読書ということになりました。当…

柴田元幸『ケンブリッジ・サーカス』

柴田元幸 『ケンブリッジ・サーカス』 新潮文庫 柴田元幸の『ケンブリッジ・サーカス』を読了しました。英文学者・翻訳家として知られる柴田氏の若き日の姿などをうかがい知ることができるエッセイ・紀行・自伝的短編小説。少し中途半端な編集の本であると感…

『カート・ヴォネガット全短編 1 バターより銃』

大森望 監修・浅倉久志 他 訳 『カート・ヴォネガット全短編 1 バターより銃』 早川書房 『カート・ヴォネガット全短編 1 バターより銃』を読了しました。SF作家というジャンルの枠組みを超えて(もはやそうしたジャンル分け自体があまり意味をなさないもの…

イアン・マキューアン『愛の続き』

イアン・マキューアン 小山太一訳 『愛の続き』 新潮文庫 イアン・マキューアンの『愛の続き』を読了しました。本書は新潮クレストブックスで出版された後に文庫本になったもので、ブッカー賞を受賞した『アムステルダム』に続いて新潮文庫に収められていま…

村上春樹『中国行きのスローボート』

村上春樹 『中国行きのスローボート』 中公文庫 村上春樹の『中国行きのスローボート』を読了しました。高校時代に古本屋で買って読んで以来、再読するのは何年ぶりのことでしょうか。全部で七編の短編が収められた村上春樹氏の初短編集です。 昔読んだとき…