ロシア文学
ウラジーミル・ナボコフ 秋草俊一郎・諫早勇一・貝澤哉・加藤光也・杉本一直・沼野充義・毛利公美・若島正 訳 『ナボコフ全短篇』 作品社 ウラジーミル・ナボコフ(1899-1977)の『ナボコフ全短篇』を読了しました。生前に発表された作品、また死後に公刊さ…
トルストイ 藤沼貴訳 『少年時代』 岩波文庫 トルストイ(1828-1910)の『少年時代』を読了しました。『幼年時代』に続いて描かれた自伝的小説で、前作に続く時系列のなかで少年の内的生活と周囲の観察を軸にした描写が展開されています。後年と変わらぬ緻密…
トルストイ 藤沼貴訳 『幼年時代』 岩波文庫 トルストイ(1828-1910)の『幼年時代』を読了しました。トルストイが23歳の若さのときに発表した処女小説で、ツルゲーネフはこの作品を激賞したとのこと。繊細に描かれた10歳の少年の内的生活は、自伝的作品とし…
ウラジーミル・ソローキン 松下隆志訳 『23000』 河出書房新社 ウラジーミル・ソローキン(1955-)の『23000』を読了しました。『氷』と『ブロの道』に続く三部作の掉尾を飾る作品で、23000人の仲間を集めた兄弟団(カルト集団)たちの結集と、カルト集団に…
ザミャーチン 松下隆志訳 『われら』 光文社古典新訳文庫 エヴゲーニイ・ザミャーチン(1884-1937)の『われら』を読了しました。ロシアの作家ザミューチンの代表作です。ハクスリーの『すばらしい新世界』やオーウェルの『1984年』に先行して書かれたディス…
ドストエフスキー 安岡治子訳 『白夜/おかしな人間の夢』 光文社古典新訳文庫 ドストエフスキー(1821-1881)の『白夜/おかしな人間の夢』を読了しました。中編作品「白夜」はデビュー3年後のドストエフスキーが27歳の時に発表された作品で、白夜の四日間…
ウラジーミル・ナボコフ 若島正・後藤篤訳 『ロリータ 魅惑者』 新潮社 ウラジーミル・ナボコフ(1899-1977)の『ロリータ 魅惑者』を読了しました。新潮社から刊行されたナボコフ・コレクションの五巻目に当たる本書には、若島正氏による翻訳にロシア語版と…
ドストエフスキー 工藤精一郎訳 『未成年』 新潮文庫 ドストエフスキー(1821-1881)の『未成年』を読了しました。ドストエフスキーの絶筆は『カラマーゾフの兄弟』ですが、最後から二番目に書かれた長編作品が本書『未成年』で、これまでずっと読む機会がな…
ウラジーミル・ソローキン 松下隆志訳 『ブロの道』 河出書房新社 ウラジーミル・ソローキン(1955-)の『ブロの道』を読了しました。『氷』に続く三部作の二作目という位置づけの作品ですが、物語上の時系列でいうと『氷』の前日譚ということになります。19…
A・グリーン/G・トマージ・ディ・ランペドゥーサほか 岩本和久/小林惺ほか訳 『短編コレクションⅡ』 河出書房新社 池澤夏樹氏による個人編集の世界文学全集から『短編コレクションⅡ』を読了しました。本書にはヨーロッパ・北米の作家19人の短編が収録され…
ウラジミール・ナボコフ 沼野充義・小西昌隆訳 『賜物 父の蝶』 新潮社 ウラジミール・ナボコフ(1899-1977)の『賜物 父の蝶』を読了しました。ナボコフがロシア語で書いた最後の長編作品である本書は、彼の代表作のひとつとも言われています。新潮社から刊…
ウラジーミル・ソローキン 松下隆志訳 『氷』 河出書房新社 ウラジーミル・ソローキン(1955-)の『氷』を読了しました。本書は現代ロシア作家のソローキンが2002年に刊行した作品で、続いて発表されることになる『ブロの道』、そして『23000』とともに三部…
ゴーゴリ 浦雅春訳 『鼻/外套/査察官』 光文社古典新訳文庫 ゴーゴリ(1809-1852)の『鼻/外套/査察官』を読了しました。ウクライナ出身のロシア作家ゴーゴリの代表的な短編作品と戯曲作品が収録されています。「鼻」と「外套」は他の訳でも読んだことが…
ナボコフ 貝澤哉 『偉業』 光文社古典新訳文庫 ナボコフ(1899-1977)の『偉業』を読了しました。『偉業』はナボコフが1932年にロシア語で発表したいわば初期の長編作品にあたりますが、後年1972年に“Glory(栄光)”というタイトルで、ナボコフの息子ドミト…
ウラジミール・ナボコフ 杉本一直・秋草俊一郎訳 『ルージン・ディフェンス 密偵』 新潮社 ウラジミール・ナボコフ(1899-1977)の『ルージン・ディフェンス 密偵』を読了しました。本書は新潮社の「ナボコフ・コレクション」の一冊で、ナボコフの初期作品に…
ウラジミール・ナボコフ 奈倉有里・諫早勇一訳 『マーシェンカ キング、クイーン、ジャック』 新潮社 ウラジミール・ナボコフ(1899-1977)の『マーシェンカ キング、クイーン、ジャック』を読了しました。ロシア語で書かれた初期の作品を中心に、英語から重…
ウラジーミル・ソローキン 望月哲男・松下隆志訳 『青い脂』 河出文庫 ウラジーミル・ソローキン(1955-)の『青い脂』を読了しました。ソローキンの作品を読むのも、現代ロシア文学(本書の原著が出版されたのは1999年のこと)に触れるのも、今回が初めての…
トルストイ 中村融訳 『人生論』 岩波文庫 トルストイ(1828-1910)の『人生論』を読了しました。本書は、トルストイがある出版社の記者をしていたという女性から送られてきた手紙に返書するかたちで書き始められたものだといいます。1886年に書かれたという…
ウラジミール・ナボコフ 小西昌隆・毛利久美・沼野充義役 『処刑への誘い 戯曲 事件 ワルツの発明』 新潮社 ウラジミール・ナボコフ(1899-1977)の『処刑への誘い 戯曲 事件 ワルツの発明』を読了しました。新潮社から刊行されている「ナボコフ・コレクショ…
ニコライ・ゴーゴリ 東海晃久訳 『死せる魂』 河出書房新社 ニコライ・ゴーゴリ(1809-1852)の『死せる魂』を読了しました。死せる魂、すなわち死んでしまった農奴たちの名義を買い集めることで地主になろうと画策するチーチコフという男の物語です。本書は…
ソログープ 中山省三郎・昇曙夢訳 『かくれんぼ・毒の園 他五篇』 岩波文庫 ソログープ(1863-1927)の『かくれんぼ・毒の園 他五篇』を読了しました。ソログープはロシア前期象徴主義を代表する詩人・作家とのことで、作品を読むのは初めてのことでした。「…
ナボコフ 貝澤哉訳 『絶望』 光文社古典新訳文庫 ナボコフ(1899-1977)の『絶望』を読了しました。本書はナボコフがロシア語で著して、彼が37歳のときにベルリンで出版された作品のロシア語版の翻訳です。ナボコフ作品のロシア時代の(ロシア語の)作品の邦…
チェーホフ 松下裕訳 『六号病棟・退屈な話 他五篇』 岩波文庫 チェーホフ(1860-1904)の『六号病棟・退屈な話 他五篇』を読了しました。「桜の園」などの戯曲で有名なチェーホフですが、短編作家としても世界中にファンのいる作家で、私もかつていくつかの…
トルストイ 米川正夫訳 『クロイツェル・ソナタ』 岩波文庫 トルストイ(1828-1910)の『クロイツェル・ソナタ』を読了しました。いわゆる「改心」後に著された後期トルストイの作品です。作品に続いて作者による「あとがき」が付されており、「わたしがこの…
ナボコフ 貝澤哉訳 『カメラ・オブスクーラ』 光文社古典新訳文庫 ナボコフ(1899-1977)の『カメラ・オブスクーラ』を読了しました。本書はナボコフがロシア語で執筆した長編小説のロシア語原点からの翻訳です。これまでにも英語で執筆されたナボコフの作品…
ミハイル・ブルガーコフ 増本浩子/ヴァレリー・グレチュコ訳 『犬の心臓・運命の卵』 新潮文庫 ミハイル・ブルガーコフ(1891-1940)の『犬の心臓・運命の卵』を読了。ミハイル・ブルガーコフの作品を読むのは初めてでした。そういえば、ソ連時代のロシア(…
トルストイ 藤沼貴訳 『復活』 岩波文庫 トルストイ(1828-1910)が晩年に記した長編『復活』を読了しました。『戦争と平和』を読んでトルストイのすごさに開眼させられ、『アンナ・カレーニナ』を読んでその構成力に驚かされ、この『復活』についても期待し…
中村白葉訳 『トルストイ民話集 人は何で生きるか 他4篇』 岩波文庫 トルストイ(1828-1910)の民話集を読了しました。 このブログを始めたきっかけは、ここ1〜2年ほどで海外文学を本格的に読み始めたからなのですが、その海外文学を本格的に読み始めるきっ…