文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

カルロス・フエンテス『テラ・ノストラ』

カルロス・フエンテス 本田誠二訳 『テラ・ノストラ』 水声社 メキシコの作家であるカルロス・フエンテスが1975年に発表した『テラ・ノストラ』は何しろ長大な作品で、読み終えた感想として、まずはどうしてもその長さについて語りたい気分になります。二段…

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』

アーサー・C・クラーク 福島正実訳 『幼年期の終わり』 ハヤカワ文庫 アーサー・C・クラークさんの本は初読。SFの古典作品は読んでおきたいと思って手に取った次第。 冒頭ではこれから宇宙に飛び立とうとする人類の姿が描かれる。かつて共に学んだ二人の科学…

J.L.ボルヘス『アレフ』

J.L.ボルヘス 鼓直訳 『アレフ』 岩波文庫 アルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『アレフ』を読了。2017年1月に岩波文庫に収められていますが、ラテンアメリカ文学研究者として有名な鼓さんによる新訳です。 ボルヘスは同じく岩波文庫の『伝奇集…

『対訳 シェリー詩集―イギリス詩人選(9)』

アルヴィ宮本なほ子編 『対訳 シェリー詩集―イギリス詩人選(9)』 岩波文庫 外国語で書かれた詩を鑑賞するということは、外国語で書かれた小説を読むことよりも私にとってはハードルが高い(ように思われる)のですが、それは何よりもまず、詩とは音読され…