文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-11-16から1日間の記事一覧

新田次郎『劒岳〈点の記〉』

新田次郎 『劒岳〈点の記〉』 文春文庫 新田次郎の『劒岳〈点の記〉』を読了しました。山岳小説のパイオニアである作者の代表作といえる作品のひとつで、2009年には映画化もされた実話をもとにした小説です。いささか地味に感じられる部分がいかにも史実であ…

ヘニング・マンケル『北京から来た男』

ヘニング・マンケル 柳沢由美子訳 『北京から来た男』 創元推理文庫 ヘニング・マンケル(1948-2015)の『北京から来た男』を読了しました。いわゆるノンシリーズの作品で、物語の冒頭で語られる事件の壮絶さに慄然とさせられます。作者の政治意識と作品のテ…

島田荘司『網走発遙かなり』

島田荘司 『網走発遙かなり』 講談社文庫 島田荘司の『網走発遙かなり』を読了しました。長篇小説なのですが、構成としては連作短編集といった趣もあって、作者のキャリア初期の力作といえる作品です。もう少し注目されても良いと思われる作品ではあるのです…