文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

バーナード・マラマッド『レンブラントの帽子』

バーナード・マラマッド 小島信夫・浜本武雄・井上謙治

レンブラントの帽子』 夏葉社

 

バーナード・マラマッド(1914-1986)の『レンブラントの帽子』を読了しました。『レンブラントの帽子』は1973年にニューヨークの出版社から刊行された、マラマッドのオリジナル短編集ですが、本書は原著の八編を収録・出版した1975年の翻訳から、「レンブラントの帽子」、「引出しの中の人間」、「わが子に、殺される」の三編のみを収めて復刊したものです。どうせなら完全なかたちで復刊されてほしかったのですが、まあそれは仕方のないこととして。

 

彫刻家と美術史家との何気ない言葉のやり取りを巡る、複雑な心の機微を描いた表題作が印象に残ります。短編のお手本のような作品でした。

 

【満足度】★★★☆☆