文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-06-15から1日間の記事一覧

吉村達也『しあわせな結婚』

吉村達也 『しあわせな結婚』 集英社文庫 吉村達也の『しあわせな結婚』を読了しました。この時期の作者の作風にも少しずつ慣れてきたような気がしますが、ほとんど没入することもなく淡々と読み進めるだけの読書になっているような気がします。もし発表当時…

宮部みゆき『レベル7』

宮部みゆき 『レベル7』 新潮文庫 宮部みゆきの『レベル7』を読了しました。作者の小説は当たり外れが少なくてどれも大変面白いのですが、特に初期に発表された作品はどれも傑作ばかりだと思います。久し振りに読み返してみた本書もその例外ではなく、初読…

石持浅海『殺し屋、やってます。』

石持浅海 『殺し屋、やってます。』 文春文庫 石持浅海の『殺し屋、やってます。』を読了しました。作者の小説は登場人物にまったく感情移入できないことが多いため、読み続けているといささか辛い気持ちになってしまうのですが、たまに読む分には大丈夫です…

宗田理『誘拐ツアー』

宗田理 『誘拐ツアー』 角川文庫 宗田理の『誘拐ツアー』を読了しました。子どもの頃に読んだときはもう少し楽しめたような気がするのですが、今回読み返してみると少し散漫な印象を受けてしまう作品でした。本編よりも解説で書かれた作者の経歴の方が気にな…

麻耶雄嵩『貴族探偵』

麻耶雄嵩 『貴族探偵』 集英社文庫 麻耶雄嵩の『貴族探偵』を読了しました。ドラマ化された作品の方は見ていないのですが、ハードカバー刊行時に読んで感心させられたのが本書に収録されている「こうもり」です。思わず直ぐに読み返してしまったことをよく覚…

吉村達也『スイッチ』

吉村達也 『スイッチ』 角川ホラー文庫 吉村達也の『スイッチ』を読了しました。正統派のホラー小説ですが、作者らしい捻りがうまく決まりきらないままに盛り込まれていて、それも作者の計算どおりのようにも思えますが、いささかバランスの悪さが目立つ作品…

有栖川有栖『マジックミラー』

有栖川有栖 『マジックミラー』 講談社文庫 有栖川有栖の『マジックミラー』を読了しました。作者としては珍しいノンシリーズ作品になりますが、作者らしい端正なというか、正統派のアリバイトリックを盛り込んだミステリー作品です。しっかりと手間隙がかけ…

吉村達也『創刊号殺人事件』

吉村達也 『創刊号殺人事件』 角川文庫 吉村達也の『創刊号殺人事件』を読了しました。作者らしさを感じ取ることのできる小説ではあるのですが、いかんせん荒削りな部分が目に付いてしまいます。作者が知悉した業界の裏側を描いた一種のお仕事小説として読む…

マイクル・コナリー『鬼火』

マイクル・コナリー 古沢嘉通訳 『鬼火』 講談社文庫 マイクル・コナリーの『鬼火』を読了しました。最近のハリー・ボッシュシリーズは、読み終わった後にプロットを思い出そうとしても、まったく思い出すことができないようになってしまったのですが、それ…

森博嗣『今はもうない』

森博嗣 『今はもうない』 講談社文庫 森博嗣の『今はもうない』を読了しました。かなり期間を置いての再読となりましたが、物語全体に仕掛けられていることについては覚えがあったものの、作品のミステリーとしての出来自体についてはまったくもって忘れてし…