文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-12-24から1日間の記事一覧

シェイクスピア『ハムレット』

シェイクスピア 福田恆存訳 『ハムレット』 新潮文庫 シェイクスピア(1564-1616)の『ハムレット』を読了しました。今回は新潮文庫の福田恆存氏の訳での再読となります。主人公であるハムレットの言動のいかにも謎めいた部分というか、どうにも解釈しきれな…

石持浅海『賛美せよ、と成功は言った』

石持浅海 『賛美せよ、と成功は言った』 祥伝社文庫 石持浅海の『賛美せよ、と成功は言った』を読了しました。不思議な感覚のもとで展開されていく倒叙小説で、シリーズ作品に馴染みのある読者にとっては、いつものように面白く読むことができる作品になって…

マイクル・コナリー『潔白の法則』

マイクル・コナリー 古沢嘉通訳 『潔白の法則』 講談社文庫 マイクル・コナリーの『潔白の法則』を読了しました。「リンカーン弁護士」ミッキー・ハラーを主人公に据えた作品の第六弾です。主人公が陥っている窮地とタイトルに込められた矜持と、そしてそれ…

赤川次郎『霧の夜にご用心』

赤川次郎 『霧の夜にご用心』 角川文庫 赤川次郎の『霧の夜にご用心』を読了しました。主人公の人物造形に何ともいえない危うさが残る作品で、作者の力技によってかろうじて成立しているといった印象です。 【満足度】★★★☆☆

吉村達也『トワイライトエクスプレスの惨劇』

吉村達也 『トワイライトエクスプレスの惨劇』 徳間文庫 吉村達也の『トワイライトエクスプレスの惨劇』を読了しました。本格ミステリーを期待して読むとおそらくはがっかりしてしまうのでしょう。 【満足度】★★☆☆☆

円居挽『カイジ ファイナルゲーム 小説版』

円居挽 『カイジ ファイナルゲーム 小説版』 講談社文庫 円居挽の『カイジ ファイナルゲーム 小説版』を読了しました。次は作者のオリジナルのミステリー小説を楽しみに待ちたいと思います。 【満足度】★★★☆☆

我孫子武丸『眠り姫とバンパイア』

我孫子武丸 『眠り姫とバンパイア』 講談社文庫 我孫子武丸の『眠り姫とバンパイア』を読了しました。ミステリーランドの一冊として上梓された作品の文庫版です。作者らしい水準の高いミステリー作品となっています。 【満足度】★★★☆☆

綾辻行人『鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ』

綾辻行人 『鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ』 講談社文庫 綾辻行人の『鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ』を読了しました。いわゆる狭い意味での本格ミステリーに正面から取り組んだ作品で、読み応えがあります。解けそうで解けない真相のレベル感も絶妙で、残りの5%から10%…

石持浅海『殺し屋、続けてます。』

石持浅海 『殺し屋、続けてます。』 文春文庫 石持浅海の『殺し屋、続けてます。』を読了しました。ユニークな設定のミステリー短編集の続編です。前作よりもいささかパワーは落ちているような気もするのですが、楽しく読むことはできました。 【満足度】★★★…

宗田理『立て、真田十勇士』

宗田理 『立て、真田十勇士』 角川文庫 宗田理の『立て、真田十勇士』を読了しました。子どもの頃に読んだときはもっと面白かったような記憶があるのですが、今読むとプロットにもキャラクターにも無理ばかりが感じられてしまって、一体どうしたことなのだろ…

少路幸也『空を見上げる古い歌を口ずさむ』

少路幸也 『空を見上げる古い歌を口ずさむ』 光文社文庫 少路幸也の『空を見上げる古い歌を口ずさむ』を読了しました。メフィスト賞受賞作品とのことですが、新本格ミステリー作品を期待して読むと肩透かしをくってしまうのではないかと思います。人情小説を…

吉村達也『「シアトルの魔神」殺人事件』

吉村達也 『「シアトルの魔神」殺人事件』 角川文庫 吉村達也の『「シアトルの魔神」殺人事件』を読了しました。ワントリックの出来としては、同じシリーズの他作品に軍配が上がります。 【満足度】★★☆☆☆

我孫子武丸『警視庁特捜班ドットジェイピー』

我孫子武丸 『警視庁特捜班ドットジェイピー』 光文社文庫 我孫子武丸の『警視庁特捜班ドットジェイピー』を読了しました。グロテスクなふざけ方が特徴的で、これくらいのことをやってこその作品の面白さなのかと感じさせられます。 【満足度】★★★☆☆

万城目学『鴨川ホルモー』

万城目学 『鴨川ホルモー』 角川文庫 万城目学の『鴨川ホルモー』を読了しました。青春小説としてよく書けていると思うのですが、ファンタジー小説としての骨格も意外にしっかりしていて、楽しく読むことができます。 【満足度】★★★☆☆