文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』

島田荘司

漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 光文社文庫

 

島田荘司の『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』を読了しました。初めて読んだのは中学生の頃だったか高校生の頃だったか忘れてしまったのですが、何となく古本屋で手に取って久しぶりの読書となりました。コナン・ドイルの生み出した稀代の名探偵シャーロック・ホームズもののパスティーシュなのですが、ホームズが活躍していた当時、イギリスに留学していた夏目漱石の視点と、ワトスンの視点とを入れ替えながら事件の様子を描いているのが本書の特徴で、ユーモアミステリーの傑作と言っていいと思います。若いときに出会うことができて良かった作品のひとつですね。

 

【満足度】★★★★☆