文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-06-16から1日間の記事一覧

宮部みゆき『龍は眠る』

宮部みゆき 『龍は眠る』 新潮文庫 宮部みゆきの『龍は眠る』を読了しました。印象的な嵐のシーンから始まって、その後も読者の興味を惹きながら複合的に展開していくプロットと、作者らしい人物造形が光る適度にクセのある登場人物たちの間で交わされる会話…

吉村達也『家族会議』

吉村達也 『家族会議』 集英社文庫 吉村達也の『家族会議』を読了しました。いくつかのモチーフが混ざり合った作品で、それぞれが完全には消化されないままに、物語は唐突なエンディングを迎えます。作者の確信犯だとは思うのですが、小説としてこれはいささ…

有栖川有栖『ブラジル蝶の謎』

有栖川有栖 『ブラジル蝶の謎』 講談社文庫 有栖川有栖の『ブラジル蝶の謎』を読了しました。本書を作者の最高傑作であると述べる読者はおそらく少ないのではないかと思いますが、印象に残るいくつかの短編が収録された作品集です。 【満足度】★★★☆☆

島田荘司『確率2/2の死』

島田荘司 『確率2/2の死』 光文社文庫 島田荘司の『確率2/2の死』を読了しました。作者の作品はかなり読んできているのですが、本書はずっと読まないままでいて、今回が初めての読書となりました。作者の他の作品に感動させられ、またあるときには失望させら…