文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-08-19から1日間の記事一覧

バーナード・マラマッド『テナント』

バーナード・マラマッド 青山南訳 『テナント』 みすず書房 バーナード・マラマッド(1914-1986)の『テナント』を読了しました。それほど数の多くない作者の長篇小説のうち、本書はこれが初邦訳となるようです。とはいえ、その他の長篇小説の翻訳のうち多く…

吉村達也『性格交換』

吉村達也 『性格交換』 ハルキ文庫 吉村達也の『性格交換』を読了しました。作者らしいテイストのホラー感と、ともすれば説教臭くなってしまう作者の人生観と、小説のプロットとしての面白さと、作者の中期以降の作品群にはそれらのバランス感がいささか崩壊…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.1』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.1』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.1』を読了しました。講談社BOXから刊行された「大河ノベル」で、一見すると人を食ったような作品の内容も作…

斜線堂有紀『キネマ探偵カレイドミステリー』

斜線堂有紀 『キネマ探偵カレイドミステリー』 メディアワークス文庫 斜線堂有紀の『キネマ探偵カレイドミステリー』を読了しました。若い世代のミステリー作品を読んで見ようと思って手に取った作品です。映画を題材としたミステリーで、モチーフとされる映…

ヒラリー・マンテル『ウルフ・ホール』

ヒラリー・マンテル 宇佐川晶子訳 『ウルフ・ホール』 早川書房 ヒラリー・マンテル(1952-)の『ウルフ・ホール』を読了しました。ブッカー賞受賞作品である本書は、イギリスの政治家でありヘンリー8世に仕えたトマス・クロムウェルを主人公とする歴史小説…