文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ヒラリー・マンテル『ウルフ・ホール』

ヒラリー・マンテル 宇佐川晶子訳

『ウルフ・ホール』 早川書房

 

ヒラリー・マンテル(1952-)の『ウルフ・ホール』を読了しました。ブッカー賞受賞作品である本書は、イギリスの政治家でありヘンリー8世に仕えたトマス・クロムウェルを主人公とする歴史小説です。

 

上下巻の長大な物語は、時折、歴史の時間軸を自由に行き来しながら、16世紀のイギリス宮廷の姿を描いていきます。どこか飄々として冷静な視点から語られる物語は、読者を突き放すようでいて寄り添うような不思議な感覚をもたらすようです。面白いかと問われると、やや首をかしげてしまうのですが。

 

【満足度】★★★☆☆