文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-10-16から1日間の記事一覧

川端裕人『銀河のワールドカップ』

川端裕人 『銀河のワールドカップ』 集英社文庫 川端裕人の『銀河のワールドカップ』を読了しました。まるで少年漫画のような展開を見せるメインストーリーの脇の部分では、性に対して率直な様が描かれる主人公の恋人の存在や主人公自身が抱える過去のトラウ…

吉村達也『小樽「古代文字」の殺人』

吉村達也 『小樽「古代文字」の殺人』 光文社文庫 吉村達也の『小樽「古代文字」の殺人』を読了しました。不可能犯罪と異常心理をテーマとして大がかりなトリックが駆使されるシリーズ作品ですが、その謎のスケールに比べると解決篇の物足りなさが目立ってし…

北村薫『街の灯』

北村薫 『街の灯』 文春文庫 北村薫の『街の灯』を読了しました。昭和初期を舞台にした物語で、士族出身の上流家庭の令嬢とサッカレーの著した小説の主人公に準えて「ベッキーさん」と呼ばれる女性運転手を主人公に据えた作品です。物語が三部作を成すことも…

吉村達也『「富士の霧」殺人事件』

吉村達也 『「富士の霧」殺人事件』 徳間文庫 吉村達也の『「富士の霧」殺人事件』を読了しました。作者らしいミステリー作品といえばその通りなのですが、本格ミステリーとしての完成度を期待するといささか肩透かしを食ってしまうかもしれません。平田均と…