文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

フランソワ・ラブレー『第一之書 ガルガンチュワ物語』

フランソワ・ラブレー 渡辺一夫

『第一之書 ガルガンチュワ物語』 岩波文庫

 

フランソワ・ラブレー(1483?-1553)の『第一之書 ガルガンチュワ物語』を読了しました。フランス・ルネサンス時代の作家ラブレーの手による巨人物語。本書には「第一之書」という通名が付せられてはいるものの、実際には「第二之書」とされる『パンタグリュエル物語』の方が先に書かれそして出版されているとのことで、そのパンタグリュエルの父親にあたるガルガンチュワの出生から成長後の様々な武勲を描いた本書の方が「第一之書」と呼ばれることになる所以については、本書の解説に詳しく書かれています。

 

下品で大らかな描写を読むにつけ、ルネサンス時代の「自由」の雰囲気を感じさせられます。大江健三郎をはじめとして多くの文学者に影響を与えた渡辺一夫氏の詳細な注釈・解説を道標として、全五巻からなる「ガルガンチュワとパンタグリュエル」の物語を“順番に”読んでいきたいと思います。

 

【満足度】★★★☆☆