ジャネット・ウィンターソン『オレンジだけが果物じゃない』
ジャネット・ウィンターソン 岸本佐知子訳
ジャネット・ウィンターソン(1959-)の『オレンジだけが果物じゃない』を読了しました。イギリスはマンチェスター生まれの作家であるウィンターソンが、24歳のときに発表したデビュー作が本書です。多分に自伝的要素を含んだ作品であると言われていますが、訳者の岸本氏があとがきでも指摘しているように、それだけでは収まらないフィクショナリティも備えた小説になっています。
直接的にはそのように感じられないとしても、傍から見れば苦い桎梏に満ちているとしか言いようがない少女時代を、決して悲劇一辺倒ではなくうち進んでいく主人公ジャネットの姿が印象に残ります。
【満足度】★★★☆☆