文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ル・クレジオ『悪魔祓い』

ル・クレジオ 高山鉄男訳

『悪魔祓い』 岩波文庫

 

ル・クレジオ(1940-)の『悪魔祓い』を読了しました。20代で作家デビューを果たした著者は、兵役義務の代替として派遣されたメキシコでの経験がきっかけとなってネイティブアメリカンの文化に魅せられ、そこに傾倒していったといいます。1970年から1974年までの間、パナマに暮らすエンベラ族とワウナナ族と生活を共にし、更には文献研究によって理解を深化させていったというル・クレジオが、1971年に発表したのが本書『悪魔祓い』です。

 

体裁としてはエッセイ風の書き物であり、ネイティブアメリカンの文化をストレートに考察し、その本質を描こうとする試みがイノセントに行われています。面白かったかと問われると、やや疑問符が付いてしまう部分があるのですが。

 

【満足度】★★★☆☆