文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』

ジェニファー・イーガン 谷崎由依

『ならずものがやってくる』 ハヤカワ文庫

 

ジェニファー・イーガン(1962-)の『ならずものがやってくる』を読了しました。2011年のピュリッツァー賞受賞作である本書は、音楽のコンセプトアルバムを形作るように配列された13の短編からなる連作短編集/長編作品です。音楽プロデューサーであるベニー・サラザーと彼のアシスタントであるサーシャを軸として、時空を超えた人々の繋がりとそれぞれの物語が描かれます。作中に登場する「パワーポイント小説」のユニークさにも驚かされたのですが、作品全体を通した構成力こそが本書の大きな魅力になっているのだと思います。

 

私はといえば、原書のタイトルでもある“A Visit from the Goon Squad”の意味するところも十分に掴めたとはいえず、少し消化不良な読書にはなってしまったのですが。

 

【満足度】★★★☆☆