文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

滝口悠生『死んでいない者』

滝口悠生

『死んでいない者』 文春文庫

 

滝口悠生の『死んでいない者』を読了しました。本書は第154回芥川賞の受賞作です。大往生を遂げた男性の通夜に集まった遺族や友人(そのタイトルにある通り「死んでいない者」)たちの人間模様が、しっかりと軸を持った視点において語られていきます。大きな物語の展開があるわけではなく「群像劇」と呼ぶには少し大げさかもしれませんが、文庫本にして200ページの長さ(短さ)とは思えないほどに、とても読み応えのある作品でした。

 

【満足度】★★★