文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-08-27から1日間の記事一覧

エマヌエル・ベルクマン『トリック』

エマヌエル・ベルクマン 浅井晶子訳 『トリック』 新潮社 エマヌエル・ベルクマン(1972-)の『トリック』を読了しました。作者によるデビュー作である本書は、最初に英語で書かれた後に自らドイツ語により書き直されて出版されるや否やベストセラーとなり、…

先崎学『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』

先崎学 『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』 文春文庫 先崎学の『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』を読了しました。プロの将棋棋士であり、週刊誌でのエッセイ連載などその文才にも定評のある先崎九段による、自らのうつ病闘病記です…

吉村達也『定価200円の殺人』

吉村達也 『定価200円の殺人』 角川mini文庫 吉村達也の『定価200円の殺人』を読了しました。定価200円で購入できるミニ文庫という企画の設定をそのままタイトルに据えた作者らしい稚気が感じられる作品です。この頃の角川文庫は勢いがあったんだなぁという…

我孫子武丸『人形はこたつで推理する』

我孫子武丸 『人形はこたつで推理する』 講談社文庫 我孫子武丸の『人形はこたつで推理する』を読了しました。腹話術師とその人形を探偵役に据えたユニークなシリーズ作品の第一作目です。あらためて読み返してみると、読者サービスたっぷりというか、作者が…

村上春樹・安西水丸『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』

村上春樹・安西水丸 『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』 新潮文庫 村上春樹・安西水丸の『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』を読了しました。肩の力を抜いたかたちで書かれたエッセイということで(以前にエッセイ集を読み返してみたときにも感じた…

宗田理『ぼくらと七人の盗賊たち』

宗田理 『ぼくらと七人の盗賊たち』 角川文庫 宗田理の『ぼくらと七人の盗賊たち』を読了しました。主人公たちの中学校卒業を引き伸ばしにするかのように、中学校一年生から二年生に上がるときの春休みに実はこんなことがあって…と書かれた作品なのですが、…