文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

ディケンズ『荒涼館』

ディケンズ 佐々木徹訳

『荒涼館』 岩波文庫

 

ディケンズ(1812-1870)の『荒涼館』を読了しました。原題は“Bleak House”です。1852年から1853年にかけて発表された小説で、『デイヴィッド・コパフィールド』の次に書かれた作品になります。「ジャーンダイス対ジャーンダイス」訴訟を背景に、イギリス・ヴィクトリア朝の腐敗した訴訟制度が描かれ、数十名の登場人物からなる悲喜劇が描かれています。

 

全知の語り手と物語の登場人物の一人であるエスターが交互に語り手訳を務めるという、一風変わった手法で描かれていますが、当時の社会を俯瞰的に描く視点とその中で生きる市井の人物の視点の両方を取り入れたかったということなのでしょうか。翻訳にして全四巻という長さは、探偵小説的な要素も取り入れて読者の興味関心を惹きながらも、いささか冗長に感じられてしまうものではありました。

 

【満足度】★★★☆☆