文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

カート・ヴォネガット『国のない男』

カート・ヴォネガット 金原瑞人

『国のない男』 中公文庫

 

カート・ヴォネガット(1922-2007)の『国のない男』を読了しました。本書は2005年に刊行されたヴォネガットの遺作となった作品で、当時のアメリカの(というよりも世界の)社会情勢も踏まえたユーモラスでありながらも警句的なエッセイです。第二次世界大戦を経験し、『スローターハウス5』をはじめとする作品で「戦争」というものと自身の文学を結びつけて語り続けてきた著者にとって、イラク戦争へと向かう当時の社会状況には物申さざるを得なかったということでしょう。

 

【満足度】★★★☆☆