文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

クリストファー・プリースト『逆転世界』

クリストファー・プリースト 安田均

『逆転世界』 創元SF文庫

 

クリストファー・プリースト(1943-)の『逆転世界』を読了しました。イギリスの作家で一般的にはSFジャンルに分類されるプリーストですが、いわゆる主流文学の読み手からも人気の作家であるようです。彼の作品を読むのは今回が初めてでしたが、とても面白く読むことができました。

 

認知の歪みと世界の歪みを区別することができないのであれば、作品世界を外側から読んでいる私たち自身についても、本当はその区別を十全に行うことはできないのかもしれません。意外とあっけない読後感の先で、そんなことを感じさせる作品でした。

 

【満足度】★★★★☆