文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

スティーヴン・キング『ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』

スティーヴン・キング 風間賢二訳

ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』 角川文庫

 

スティーヴン・キング(1947-)の『ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』を読了しました。本書はシリーズが完結に至った後に書かれた、いわばスピンオフのような位置づけの作品になるようですが、時系列としては『Ⅳ 魔道師と水晶球』で語られた時間の直後にあたるため、私は時系列に沿って読み進めているのですが(角川文庫への収録順もこれに準じています)、果たしてそれは正解なのでしょうか。答えはどこにもないのですが。

 

時系列が引き続いているとはいっても、シリーズ四作目と同様に本書もまた「作中作」の構造を持っていて、更にいえば本書には「作中作中作」も登場してその分量が最も多いという事態で、一番外枠にあたるローランド一行の旅はほとんど前に進むことはありません。そして、そのような仕方でしか語ることができないのであろう物語が展開されて、ダークタワーシリーズの世界にまた一塗り厚みが増されていくのでした。

 

【満足度】★★★☆☆