フーケー 柴田治三郎訳
フーケー(1777-1843)の『水妖気(ウンディーネ)』を読了しました。プロイセン王国でフランス人の父とドイツ人の母との間に生まれたフーケーは、軍人を辞めた後に作家となり、現代であればファンタジーと呼ばれるような作品群を残しています。本書はフーケーの代表作で、水の精霊とされるウンディーネと騎士との間のロマンスとやがて訪れる悲劇が叙情的に描かれています。
ひとつの幻想譚として、舞台や映画のような媒体ではその魅力が高まるのかなという気がしました。文学作品としては、いささか描写がさらりとしている部分が気になってはしまうのですが。
【満足度】★★★☆☆