文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2023-09-27から1日間の記事一覧

アーサー・ミラー『セールスマンの死』

アーサー・ミラー 倉橋健訳 『セールスマンの死』 ハヤカワ演劇文庫 アーサー・ミラー(1915-2005)の『セールスマンの死』を読了しました。本書はアーサー・ミラーの代表的な戯曲作品でピュリッツァー賞受賞作です。作者の作品を読むのは私にとって初めての…

森博嗣『まどろみ消去』

森博嗣 『まどろみ消去』 講談社文庫 森博嗣の『まどろみ消去』を読了しました。作者が初めて発表した短編集ということになるのでしょうか、ノンシリーズ作品に加えて、お馴染みのシリーズキャラクターが登場する作品もあわせて収録されています。ミステリー…

川端裕人『声のお仕事』

川端裕人 『声のお仕事』 文春文庫 川端裕人の『声のお仕事』を読了しました。声優の世界で奮闘する若者の姿を描いた小説で、丁寧な取材に裏打ちされた作者らしい誠実な視点から語られる物語に惹き込まれてしまいました。ヤングアダルト作品と呼ぶには主人公…

赤川次郎『三毛猫ホームズの感傷旅行』

赤川次郎 『三毛猫ホームズの感傷旅行』 角川文庫 赤川次郎の『三毛猫ホームズの感傷旅行』を読了しました。三毛猫ホームズを主人公とするシリーズ作品の短編集なのですが、本書には「保健室の午後」というタイトルの作品が収録されていて、これは「三毛猫ホ…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.3』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.3』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.3』を読了しました。Book2も少し前に読んではいるのですが、どうやら備忘録として記事を投稿することを失念…

島田荘司『Classical Fantasy Within 第四話 アル・ヴァジャイヴ戦記 決死の千騎行』

島田荘司 『Classical Fantasy Within 第四話 アル・ヴァジャイヴ戦記 決死の千騎行』 講談社 島田荘司の『Classical Fantasy Within 第四話 アル・ヴァジャイヴ戦記 決死の千騎行』を読了しました。本シリーズの刊行計画が最終的に迎えることとなる結末を何…

宗田理『ぼくらの最終戦争』

宗田理 『ぼくらの最終戦争』 角川文庫 宗田理の『ぼくらの最終戦争』を読了しました。何となく読み返している本シリーズ作品も、本書をもって「中学生篇」の最終巻となりました。卒業式へと至るまでの子どもたちのエキセントリックな冒険譚も、卒業式の後に…

吉村達也『孤独』

吉村達也 『孤独』 新潮文庫 吉村達也の『孤独』を読了しました。作者あとがきで述べられている言葉が、本書の読後感を正しく解説してくれるように思います。本格ミステリーとしての資格を備えながらも、ホラーやサイコスリラー、あるいは心理小説といった道…

ダシール・ハメット『マルタの鷹』

ダシール・ハメット 小鷹信光訳 『マルタの鷹』 ハヤカワ文庫 ダシール・ハメット(1894-1961)の『マルタの鷹』を読了しました。私立探偵サム・スペードを主人公とするハードボイルド小説の古典作品です。プロットが面白いかといわれると首をかしげてしまう…

宮部みゆき『地下街の雨』

宮部みゆき 『地下街の雨』 集英社文庫 宮部みゆきの『地下街の雨』を読了しました。類まれなるページターナーである作者の長篇作品群と比べると、やや大人しい印象の短編小説が並ぶ作品集です。ひとつの奇妙な感情のようなものを梃子にして物語が展開してい…

鈴木光司『リング』

鈴木光司 『リング』 角川ホラー文庫 鈴木光司の『リング』を読了しました。いわずと知れたホラー作品の古典ともいうべき小説です。仕方のないことですが、現代の視点から読むと作中に登場するアイテム(ビデオテープ)には古めかしさが感じられます。主人公…