『マルタの鷹』 ハヤカワ文庫
ダシール・ハメット(1894-1961)の『マルタの鷹』を読了しました。私立探偵サム・スペードを主人公とするハードボイルド小説の古典作品です。プロットが面白いかといわれると首をかしげてしまうところはあるのですが、物語の終盤で主人公が見せるアクロバティックな変節は、本書を本格的な古典作品というよりも「変格」と名付けたくなる気分にさせられます。レイモンド・チャンドラーやフィリップ・ロスなどの作品を通過した後に本書を読むと、より一層そのように感じられるのではないかと思います。
【満足度】★★★☆☆