文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

2024-01-17から1日間の記事一覧

ディケンズ『クリスマス・キャロル』

ディケンズ 池央耿 『クリスマス・キャロル』 光文社古典新訳文庫 ディケンズ(1812-1870)の『クリスマス・キャロル』を読了しました。随分と昔に読んだのは新潮文庫の翻訳で、古めかしい装丁が懐かしく思い出されるのですが、21世紀になってからの新訳で、…

高里椎奈『銀の檻を溶かして』

高里椎奈 『銀の檻を溶かして』 講談社文庫 高里椎奈の『銀の檻を溶かして』を読了しました。第11回メフィスト賞受賞作ということで手に取った作品なのですが、ヤングアダルトの装いのもとで、想像よりもミステリーとたろうとする意思の感じられる小説でした…

吉村達也『ナイトメア』

吉村達也 『ナイトメア』 角川ホラー文庫 吉村達也の『ナイトメア』を読了しました。韓国映画のノベライズ(作者の意図としては書き下ろし)ですが、作者の良さというものが発揮されているとは思われず、やや中途半端になってしまっているという印象です。 …

西浦博・川端裕人『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』

西浦博・川端裕人 『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』 中央公論新社 西浦博・川端裕人の『理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!』を読了しました。新型コロナウイルスの蔓延に対応するための厚生労働省クラスター…

ジャック・リッチー『クライム・マシン』

ジャック・リッチー 好野理恵訳 『クライム・マシン』 河出文庫 ジャック・リッチー(1922-1983)の『クライム・マシン』を読了しました。短篇ミステリの名手という呼び名に違わない優れた短篇ミステリーが多数収録された作品集です。巻頭に掲げられた表題作…

ジェイン・オーステイン『高慢と偏見』

ジェイン・オーステイン 中野康司訳 『高慢と偏見』 ちくま文庫 ジェイン・オーステイン(1775-1817)の『高慢と偏見』を読了しました。以前に岩波文庫の翻訳で読んだのは学生時代のことなので、今回はかなり久し振りの読み直しととなりました。本書は近代イ…

赤川次郎『うぐいす色の旅行鞄』

赤川次郎 『うぐいす色の旅行鞄』 光文社文庫 赤川次郎の『うぐいす色の旅行鞄』を読了しました。タイトルにも掲げられたアイテムを巡る思わせ振りな導入は、肩透かし以外の何ものでもありませんが、本シリーズ作品のいつもの水準どおりといったところでしょ…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.12』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.12』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.12』を読了しました。僕と世界の物語と英語と京都を巡る不思議な小説(大説?)も、本巻でついにフィナーレ…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.11』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.11』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.11』を読了しました。奇妙な数当てゲームの中に、パズラーたろうとする矜持のようなものが垣間見える気がし…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.10』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.10』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.10』を読了しました。フィナーレへ向けての助走といった物語が展開されますが、この先には予定調和が待ち受…

清涼院流水『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.9』

清涼院流水 『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.9』 講談社 清涼院流水の『パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.9』を読了しました。本巻については、もはや英単語の羅列に過ぎないのではないかという気もするのですが、最…