文学・会議

海外文学を中心に、読書の備忘録です。

哲学

トーマス・クーン『科学革命の構造』

トーマス・クーン 中山茂訳 『科学革命の構造』 みすず書房 トーマス・クーン(1922-1996)の『科学革命の構造』を読了しました。1962年に発表された、言わずと知れた科学史の古典です。一体、本書は何本の論文に引用されたのでしょうか。それだけ影響力の大…

アレックス・ローゼンバーグ『科学哲学 なぜ科学が哲学の問題になるのか』

アレックス・ローゼンバーグ 東克明・森元良太・渡部鉄兵訳 『科学哲学 なぜ科学が哲学の問題になるのか』 春秋社 アレックス・ローゼンバーグの『科学哲学 なぜ科学が哲学の問題になるのか』を読了しました。「現代哲学への招待」と題されたシリーズの一冊…

伊藤邦武・藤本忠 編著『哲学ワールドの旅』

伊藤邦武・藤本忠 編著 『哲学ワールドの旅』 晃洋書房 伊藤邦武・藤本忠 編著『哲学ワールドの旅』を読了しました。西洋哲学の全体像を見渡すことのできるバランスの取れた入門書です。高校生から大学一回生向けといったところでしょうか。 内容的にはかな…

伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』

伊勢田哲治 『疑似科学と科学の哲学』 名古屋大学出版会 伊勢田哲治の『疑似科学と科学の哲学』を読了しました。科学哲学の基礎を学び直す中での再読です。本書は疑似科学と科学の「線引き問題」をテーマにしながら、科学哲学上の主要なトピックスについての…

アリストテレス『魂について』

アリストテレス 中畑正志訳 『魂について』 京都大学学術出版会 アリストテレスの『魂について』を読了しました。哲学を学ぶ人は、本書を読んでいなければ「モグリ」と言われるらしいですが、それほど多方面に影響を与え、歴史上の多くの哲学者たちに言及さ…

中畑正志『魂の変容 心的基礎概念の歴史的構成』

中畑正志 『魂の変容 心的基礎概念の歴史的構成』 岩波書店 中畑正志の『魂の変容 心的基礎概念の歴史的構成』を読了しました。本書は西洋古代哲学の研究者、とりわけアリストテレス研究者として知られる著者の論文集です。しかし論文集とはいってもそこには…

N・R・ハンソン『科学的発見のパターン』

N・R・ハンソン 村上陽一郎訳 『科学的発見のパターン』 講談社学術文庫 ノーウッド・ラッセル・ハンソン(1924-1967)の『科学的発見のパターン』を読了しました。最近は文学作品を離れて哲学関連の本を読むことが増えてきましたが、その時々の興味関心が高…

冨田恭彦『ローティ 連帯と自己超克の思想』

冨田恭彦 『ローティ 連帯と自己超克の思想』 筑摩書房 冨田恭彦『ローティ 連帯と自己超克の思想』を読了しました。ロック研究者として知られる著者は『ロック哲学の隠された論理』の中で、『人間知性論』におけるロックの言説は実はほとんどが正しかったの…

伊藤邦武『プラグマティズム入門』

伊藤邦武 『プラグマティズム入門』 ちくま新書 伊藤邦武の『プラグマティズム入門』を読了しました。パース、ジェイムズ、デューイという古典的プラグマティストから、クワイン、ローティー、パトナムといったネオ・プラグマティスト、さらには21世紀におけ…

フッサール『デカルト的省察』

フッサール 浜渦辰二訳 『デカルト的省察』 岩波文庫 フッサール(1859-1938)の『デカルト的省察』を読了しました。現象学の創始者である哲学者フッサールの後期の主著といってよいのでしょうか。近世哲学の祖・デカルトにならって、絶対的な明証性からなる…

野家啓一『科学哲学への招待』

野家啓一 『科学哲学への招待』 ちくま学芸文庫 野家啓一の『科学哲学への招待』を読了しました。科学哲学の入門書は世の中にたくさんあると思いますが、いわゆる「科学哲学」だけではなく「科学史」や「科学社会学」までバランスよく目配りしているのが本書…

J. アナス・J. バーンズ『古代懐疑主義入門 判断保留の十の方式』

J. アナス・J. バーンズ 金山弥平訳 『古代懐疑主義入門 判断保留の十の方式』 岩波文庫 J. アナス・J. バーンズの『古代懐疑主義入門 判断保留の十の方式』を読了しました。原著は1985年に出版されています。アリストテレスに続く古代西洋哲学の時代である…

門脇俊介『現代哲学の戦略 反自然主義のもう一つ別の可能性』

門脇俊介 『現代哲学の戦略 反自然主義のもう一つ別の可能性』 岩波書店 門脇俊介(1954-)の『現代哲学の戦略 反自然主義のもう一つ別の可能性』を読了しました。最近は哲学の本を購入することもほとんどなかったのですが、古本市で目にして衝動的に手に取…

ベルクソン『時間と自由』

ベルクソン 中村文郎訳 『時間と自由』 岩波文庫 ベルクソン(1859-1941)の『時間と自由』を読了しました。1889年に発表されたベルクソンの学位論文で、この岩波文庫での邦訳の題は『時間と自由』なのですが、直訳では『意識に直接与えられたものについての…

パース『連続性の哲学』

パース 伊藤邦武編訳 『連続性の哲学』 岩波文庫 チャールズ・サンダース・パース(1839-1914)の『連続性の哲学』を読了しました。このブログは基本的に外国文学の読書記録なのですが、読んだ本の記録は付けておくという方針のもとで哲学関連の本についても…

フリードリヒ・W・ニーチェ『ツァラトゥストラかく語りき』

フリードリヒ・W・ニーチェ 佐々木中訳 『ツァラトゥストラかく語りき』 河出文庫 フリードリヒ・W・ニーチェ(1844-1900)の『ツァラトゥストラかく語りき』を読了しました。本書は海外文学というよりは哲学書の範疇に入れるべき書物。19世紀末に活躍し、20…